大腸癌における腸内細菌研究の動向 歯周病治療 細菌 フゾバクテリウム ヌクレアトム Fusobacterium nucleatum 

今日2023.3.19 朝のテレビで大腸がんと歯周病菌の関係が放送されていました。 TV放送では、嘘か誠かの判断は出来ませんが、大学の研究結果や論文は確かな情報です。

腸内細菌学雑誌 35 : 1-11,2021 にて発表された論文です。

大腸癌における腸内細菌研究の動向
―Fusobacterium nucleatum による大腸癌研究の新しい潮流―
吉原  努*,野上 麻子,高津 智弘,三澤  昇,芦苅 圭一,
松浦 哲也,冬木 晶子,大久保秀則,日暮 琢磨,中島  淳
*横浜市立大学医学部 肝胆膵消化器病学

 

 研究成果のポイント

  • フソバクテリウム・ヌクレアタムは歯周病に関連する口腔内常在菌で、大腸がんの発がんや進行に関連しているとされる。
  • 歯周病治療を行うことにより、便のフソバクテリウム・ヌクレアタムが減少することを確認した。
  • 歯周病治療を行い、大腸のフソバクテリウム・ヌクレアタムの動向を見た研究報告は世界初である。

そして、論文からは

ヒトにおいても血行性に大腸癌
に付着する機序が考えられ,口腔内細菌が産生するバイオフィル
ムが大腸にも作用し,慢性的な炎症を引き起こすことに
より,大腸癌発癌のメカニズムとなっていると考えられ
る.
このほかに,口腔内細菌と他臓器の発癌に関連し
ていると考えられる事象に,食道癌や膵癌が
報告され.食道癌では,フソバクテリウム・ヌクレアタムが多く検出され、この歯周病菌の存在下では病期や予後に影響があるという.その他にも,歯周病菌
の主役の一つでもあるポルフィロモナス・ジンジバリス も多くみられ,この細菌はアクチノマイセテムコミタンスとともに膵癌との関連が報告されているようである。

 

結果、歯周病予防は大事であり、個人個人でメンテナンス間隔は異なるが1か月~6か月の範囲でメンテナンス・チェックでの歯科受診をお勧めします。

 

参考論文https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/35/1/35_1/_pdf

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